◆2023.07.08 中島吉太郎先生が2023年度の日本蛋白質科学会 「若手奨励賞優秀賞」を受賞しました!◆

日本蛋白質科学会では、若手研究者による優れた研究に対し「若手奨励賞」の表彰が実施されています。さらに、奨励賞受賞者の中から特に優秀と評価された研究者に「若手奨励賞優秀賞」が授与されます。当研究室の中島吉太郎先生が、2023年度の「若手奨励賞」に選出され、さらに、「若手奨励賞優秀賞」を受賞されました。

受賞研究のタイトル:
超音波アミロイド誘導装置を用いたアミロイドーシス発症リスクの研究

(以下、本人からの報告)

 2023年7月5-7日に名古屋国際会議場で行われた第23回日本蛋白質科学会年会にて若手奨励賞・優秀賞に選んでいただきました。主催者側によると、40名弱の応募があり、その中から10名の奨励賞が書類選考で選ばれました。奨励賞の10名が学会2日目の奨励賞シンポジウムで持ち時間15分(12分+3分)の英語口頭発表を行い、その中からさらに3名が優秀賞に選ばれるという選考過程でした。
 シンポジウム本番では、他の研究者の成果が3大誌、また、それらの姉妹紙に掲載された内容などを次々に発表していきました。会場には、蛋白質のde novo designで世界的権威のProf. William DeGrado(UCSF)やProf. Andy Ellington(Univ. Texas)、また、国内からも蛋白質研究で著名な先生方が集まり、緊張感がある中での発表でした。
 私の発表では、昨年度の秋に発表した透析アミロイドーシスの発症リスクに関する実験的研究と生物物理学的理論による発症予測に関する論文(K. Nakajima et al., Nat. Commun. 13, 5689 (2022))を軸に、他4報の論文(K. Nakajima et al., ACS Chem. Neurosci. (2021), Ultrason. Sonochem. (2021), Ultrason. Sonochem. (2017), and Sci. Rep. (2016))の内容を絡めながら、この分野における自分の独自性である超音波装置の開発やそれによる蛋白質分子の反応制御といった部分をアピールするように心がけました。私は、7番目の発表順での出番で会場の雰囲気に慣れてきていたこともあり、特に緊張せず、自分の研究内容をアピールすることができました。
 最終日に表彰式があり、そこで、奨励賞優秀賞の発表があり、大変光栄なことに選んでいただくことができました。受賞のスピーチは、研究発表よりもはるかに緊張しましたが、いい機会でした。副賞として、来年度の米国Protein Societyへの参加費・渡航費がいただけるということですので、こちらも楽しみです。これからも、アミロイド線維の形成機構の解明、並びに、アミロイドーシスの根絶に向けた研究に邁進していきたいと強く感じる次第です。
 報告の結びにはなりますが、日ごろからご指導賜っております、大阪大学の後藤 祐児 名誉教授、並びに、新潟大学の山本 卓 教授、また、ポスドク期から現在を支えてくださるマイクロソノケミストリー共同研究講座に携わってくださる株式会社ダイセルの皆様、共同研究者の山口圭一さん(大阪大学)と野地真広さん(京都大学)に感謝申し上げます。

(ざっくばらんな学会参加報告も学生さんとともに近日中に掲載する予定ですので、そちらもご覧ください。)

奨励賞シンポジウムの会場

優秀賞発表直前。緊張しています。(中島は左から4人目)

賞状の授与

他の受賞者の方々と記念撮影

頂いた賞状

中島先生、おめでとうございます!