◆2022.09.29 第60回日本生物物理学会年会に参加しました!◆

函館で開催された第60回日本生物物理学会に当研究室M2の藤原さんと共同研究先である後藤研の中島さんが参加しました!




函館の夜景!!!綺麗!!!





以下参加したお二方のコメントです!

まずは藤原さん!

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 M2の藤原です。私にとって今回は初めての対面での学会でした。オンラインでの学会に比べて発表者と距離が近く、たくさん質問することができました。同じような観点で研究してしてる人と悩みを共有したり、自分の研究に応用できそうなネタを発見できたりと、刺激的な時間を過ごすことができました。自身の発表を聞いてくれた人からはアドバイスをもらうこともでき、今後のモチベーションになりました。これからも研究がんばります!
 また、函館は落ち着いた過ごしやすい街で、海鮮を食べたり夜景を見たりしたことも良い思い出です!(藤原夏美)

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そして中島さん!

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藤原さんと一緒に学会に参加してきました後藤研究グループの中島吉太郎です。

今回は、函館開催ということで、意気揚々と全日程参加してきました。
アミロイド線維に関連するセッションはすべて参加し、国内(一部、海外からのものも)のアミロイド研究の動向と各先生の主張を理解しようと必死で、2.5時間のセッションがあっという間でした。

多くの印象に残る発表がありましたが、その中でも特に印象に残ったのは、立命館大学薬学部の北原亮先生の発表でした。その内容を少し紹介させていただきます。

近年、夾雑環境下における蛋白質分子の液液相分離(LLPS: liquid-liquid phase separation)現象の研究が盛んにおこなわれています。
様々な生体機能を発現するためにLLPSが使われているという仮説に基づく研究が多いのですが、アミロイドの分野では、アミロイド形成の前段階にLLPSがあるのではないかと考えられています。

アミロイド線維の構造多型(polymorph)は、R. Tycko教授らのAbetaに対するssNMRを用いた研究や近年のcryo-TEMの研究でよく知られていますが、LLPSについても多型のようなものがあるのではないかと考えられ始めています(例えば、G. Kainer et al., Nat. Commun. 12, 1085 (2021).)。
多型と言っても、LLPSした液滴中では蛋白質分子は特定の構造をとらないので、一般的な結晶の多型とは違い、この場合は、LLPSを作る支配的な相互作用の種類が変わることを多型と呼ぶことがあるようです。

一般的にこのLLPSの多型を得るために、塩濃度を広範囲に変えたりして、静電的相互作用の強度を大きく変化させたりする手法が取られるようなのですが、北原先生は、溶液の圧力を大きく(1 bar ~3 kbar)変化させることにより、蛋白質分子が圧力に依存した可逆的なLLPSを起こし、低圧力域(1 bar~1.2 kbar)と高圧力域(2.0 kbar~3.1 kbar)でみられるLLPSの中で支配的な相互作用が異なることを報告されていました(R. Kitahara et al., J. Am. Chem. Soc. 143, 19697-19702 (2021).\ 他2報)。

圧力ジャンプ実験のデータの可逆的な曲線がきれいで、とても印象に残りました。自分もこのような独創的な研究を目指し、よく考えて研究に取り組まないといけないと強く感じさせていいただきました。

さて自分はと言いますと、最近、後藤グループと新潟大学の共同研究として発表した論文(K. Nakajima et al., Nat. Commun. 13, 5689 (2022).)の内容をポスター発表しました。
最終日の最後ということで、会場は少し閑散とし始めていたのですが、後藤研関連の先生や上述の北原先生にも「論文良かったね。」と声をかけてもらえたりして、充実した発表になりました。

HANABI(HANdai Amyloid Burst Inducer)という装置を用いた研究ですので、記念に函館花火の絵画(写真)を購入して帰路につきました。また、荻研の皆さんと学会に行けるのを楽しみにしております。(中島吉太郎)






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お二方ともお疲れさまでした!


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