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共鳴・共振現象
身の回りのいろんな物が持っているそれぞれの「音色」。そこには重要な情報が詰まっています。

 

 ベルやお寺の鐘や様々な楽器を叩いて鳴らすと楽器ごとに音色って決まっていますよね。その他にも例えば硬貨を落とすと音だけで硬貨が落ちたことが分かると思います。
 楽器に限らず、身の回りの物は材質と形状が決まると叩いた時にどんな音で鳴るのか、共振周波数というものが決まります。共鳴周波数とか、固有周波数と呼ぶこともあります。共振周波数は材質と形状で決まるので叩き方を変えても変わりません。ただし、固有周波数は1つではなく、いくつもの固有周波数を持っており、叩き方・演奏の方法によって周波数毎の振幅は変化するので、音色は多少変わったりします。

 鐘や楽器など固体だけでなく、共振現象は液体などを含め振動する様々なもので発生します。例えば水を入れたコップを揺らすとある一定の周期で揺らした時に水面が大きく動いて水がこぼれたりします。ブランコも共振の一種です。誰かが乗ったブランコを加速してあげる時、下に向かって動きが早くなっているときにだけ押してあげますよね?あれはブランコの共振周波数に合わせてブランコを揺らしているのです。

 共振におけるこれらの特性が研究の上でも非常に重要です。まず共振とは外部から共振周波数で揺らすと振幅が非常に大きくなる現象のため、エネルギが集中し、その材料の特性や状態が顕在化するため普通の計測では得られない特性まで正確に評価することができます。また共振周波数は常に一定であるため、逆に共振周波数のわずかな変化をモニタリングすることでその振動している物の状態の変化を検出することができます。これにより材料の性質を正確に計測したり、センサを開発したりすることができます。

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